日本とは異なる規定や慣習
香港の事情をよく理解しよう
■香港における人材採用について理解しよう
適切な人材の確保は、香港でのビジネスを成功に導く重要なファクターだ。香港で現地スタッフを採用する場合は、「期待する役割・業務内容」と「雇用条件」を明確にしておくことが大変重要である。
香港でよく聞く転職理由に「入社前に聞いていた業務内容と違った」というものがある。様々な原因が考えられるが、会社側が期待する役割・業務内容を明確に示せていなかったことも大きな原因の1つとして挙げられる。また、雇用条件についてもきちんと書面で伝えることも重要。特に賃金に関する条件は、雇用条例で最も保護されている項目でもあるため、雇用後の労使間トラブルを避けるためにも、雇用条件を書面契約にしておくことをお薦めする。
香港ではスキル・キャリアアップのための転職が比較的一般的なため、2、3年のスパンで転職を繰り返すことが一概にネガティブな要因となるとは言えない。ただし、転職回数が多い場合、その理由の確認が当然ながら大切となる。 香港は人材の流動性が比較的高い傾向にあるので、早期離職に繋がるリスクはできる限り回避し、適切な人材に必要な期間活躍してもらう環境を採用段階で整えておく必要がある。
■労働時間
所定労働時間に関する規定が存在しない香港では、労使合意により自由に労働時間を規定することが可能。香港の日系企業では、1週40時間前後の労働時間が一般的となっている。
■ 休日
雇用条例では、年間12日の法定休日(StatutoryHoliday)と、継続的契約(※雇用関連条例)となる労働者に対し7日ごとに最低1日の休息日(Rest Day)の付与を使用者に義務づけている。特に法定休日は、雇用開始後3カ月を経過した段階で有給の休日とすることを規定している。
また、使用者が法定休日に労働者を就労させる場合、雇用条例では振替休日の付与義務等が規定されているので注意が必要だ。 香港には、学校、銀行、公務員などの休日をあらかじめ定めた公休日条例(日曜日と年間17日の国民の祝日を赤色で示したカレンダー)が存在する。しかし、全ての使用者がこのカレンダーに従う必要はなく、雇用条例で規定されている前述の休日を付与していれば合法となる。ただし、ほとんどの日系企業(工場、店舗、一部業界などを除く)は、公休日に指定されている祝日を休みとしている。また、土曜日も休日とする完全週休2日制を実施しているのが一般的だ。
■ 有給休暇
原則として雇用開始後12カ月を経過した時点で、年間7日の年次有給休暇(Annual Leave)を付与する義務がある。年次有給休暇は勤続年数に従って付与すべき法定最低日数が毎年1日ずつ増え、最大14日まで増加していく。 なお、香港では台風警報や豪雨警報が発令された際の出退勤に関するガイドラインを労工処が作成している。あくまでガイドラインなので法的な強制力はないが、一般的には本ガイドラインに沿った運用を行っている企業が多いといえる。
■ 賃金と年末手当
香港における賃金は、職務や業種、人材市場状況等によって決定されることが一般的だ。 また、雇用条例には規定はないが、時間外労働手当や休日勤務手当などを雇用契約や就業規則等で規定するケースも見られる。さらに香港では、過去1年間の勤続に対して、旧正月の直前に基本給の1カ月分相当の年末手当(通称ダブルペイ)を支給するケースが多く見られる。
■ 賃金及び雇用記録の保存義務
使用者は、直近の12カ月間における労働者の雇用に関連する賃金や休暇などの記録を保存する義務がある。
■ 福利厚生
香港の日系企業で一般的な福利厚生策は、傷害医療保険制度、傷病休暇 、 通勤交通費補助、慶弔金・慶弔休暇制度など。特に香港には、現在のところ公的な健康保険制度がなく、医療費負担を軽減する医療保険制度は、福利厚生の中心的な存在となっている。
■ 求人募集方法
【人材紹介会社の活用】
人材紹介会社は、日系から欧米、現地系まで多数存在している。人材紹介会社が登録者の中から適切な人材を紹介、採用成功までサポートをし、紹介した人材が入社した場合に採用企業側が成功報酬を支払うという形が一般的だ。正社員採用をする際に広く用いられている方法で、特に日系企業の場合は、日本語スピーカーや特定のスキル・知識を要するポジションの場合によく利用されている。
【広告などの活用】
現在求人のために利用されている広告媒体は紙面、WEBなど多岐にわたっており、英字紙、華字紙、フリーペーパー、日本人向けの新聞などがある。代表的なものとしては、紙媒体は「Recruit」「Job Market」「South ChinaMorning Post (Classified Post)」、WEB 媒体は「Jobs DB」「Classified Post Online」などが存在している。下記のホームページでは、給与情報等も得ることが出来る。
・Jobs DB:http://www.jobsdb.com/HK
・Classified Post Online: http://www.cpjobs.com
最近の香港は、低水準の失業率を維持しており、売り手市場が続いている。長く続く人材不足状況から、雇用条例で定められた最低限のベネフィットでは求める人材を採用することが難しくなってきている。実際の労働市場での水準を考慮し、自社の特色のあるベネフィットを設定することがますます必要になってくると言えるだろう。
〈記事提供〉
パーソル香港(PERSOL Hong Kong)※旧インテリジェンス香港(Intelligence Hong Kong)
TEL:(852) 2971-2554 Web:http://www.persolhk.com
<人材会社一覧>
■パーソナル香港
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■パソナアジア
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■RGF HR Agent香港
住所:Unit 2206,22/F,Wu Chung House,213 Queen’s Rd. East,Wan Chai TEL:(852)2537-2557 Web:https://www.recruit.co.jp/company/
■キングスウェイパーソネルリミテッド
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■JACリクルートメント香港
住所:12th Floor, 8 Wyndham Street Central, Hong Kong TEL:(852)2585-6700 Web:https://www.jac-recruitment.hk/
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