ホコチュー 香港の中心でアノ時を語る 第37回
三宝不動産
営業マネージャー
鶴見 国光(つるみ くにみつ)さん
経歴:
大学時代のカナダ・トロント留学で、アジアの学生と出会う。大学卒業後は静岡の製造販売会社に入社、1996年から香港駐在。駐在終了後に退職、2016年から三宝不動産香港支店勤務。17年に香港不動産代理店営業員資格、18年香港不動産代理店経営者資格を取得している。
きっかけは留学で出会ったアジアの友
このまま社会に出てもいいのだろうか。鶴見国光さんは大学時代に考えあぐね、一年間休学してカナダ・トロントに留学した。
それまでは欧米志向だったという鶴見さんは、そこで出会った台湾や香港の学生たちの姿を見て「アジアのみんなは頑張っている」と認識を改める。アジアの仲間たちとの出会いは、その後の鶴見さんの生き方、暮らす場所を自ら選ぶ決意にもつながっていく。
大学を卒業後、静岡県に拠点を置く製造販売会社に就職。勤務先でアジア進出の準備をしていることを知り、自らその職務を志願した。東京勤務を経たのち、1996年に駐在員として鶴見さんは香港での生活を始めた。
「駐在時代は出張ばかりでした。結婚した香港人の妻や子供と過ごす時間もほとんどなく、妻にはストレスをかけ、子供には寂しい思いをさせてしまいました」と振り返る鶴見さんは、帰任命令を受けた2016年、家族とともにある決断をする。
1人では出来ない 出会いと縁の人生
家族との暮らしを最優先するため、鶴見さんは24年務めた会社を退職。
「妻や子供に日本でゼロからのスタートをさせるよりも、私が頑張って家族が馴染んだ香港で暮らし続けようと決めました」と鶴見さん。
日本が嫌いなわけではない。家族で幸せに暮らせる場所、好きで、ここに残りたいと願った香港での新しい生活が始まった。
1996年、駐在生活の住居探しは三宝不動産で始めた。その縁もあり始めた不動産の仕事では、これまでとは畑違いの業界だが、枠のない、立場や経歴も異なる人たちとの出会いがあるという。難しい試験に何度も挑戦し、香港における不動産代理店経営者の資格も獲得した。今後の目標として三宝不動産からの暖簾分けで九龍サイドに支店を開設する予定だ。
香港に深く根づいた生活は、自分ひとりではできなかった。出会いと縁、節目の選択と勇気が、幸せな生活への道しるべなのだろう。
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