「尾野デザイン有限公司」社長
氏名:尾野文彦
1985年(株)大洋工芸後1993年TAIYO DISPLAY CO., LTD.に出向。1997年同社香港撤退を機に退職し、同年尾野設計有限公司設立。今年会社創立20周年を迎える。
デザインとの出会い
今年起業20周年を迎える尾野デザインの尾野文彦さん。尾野さんとデザインとの出会いは幼少の頃にさかのぼる。和紙ちぎり絵の師範だった尾野さんの母は、活き活きと絵を描いている息子を見て、4歳からアトリエに通わせていた。そして高校までデッサンなどを学び、大学ではインテリアデザインを専攻。卒業後、デザイン会社大洋工芸に入社。「母が子の能力、チャンスを摘まず、芽を伸ばしてくれたことが、デザイン業務に携わる大きなきっかけになりました」と当時を偲ぶ。
1993年に同社香港支店駐在赴任。1997年同社香港拠点撤退を機に同年12月に尾野デザインを起業。駐在時代の取引先に起業したい思いを相談した所、駐在時代からの仕事ぶりを評価してもらい、起業当時から今日に至るまで取引を継続しているクライアントもあるという。
香港で空間創りをデザイン
起業後間も無くアジア全体を覆う金融危機、SARSによる受注激減、主な取引先だった日系デパートの相次ぐ撤退と厳しいビジネス環境であったが、地道な営業と丁寧な仕事ぶりで案件の大小に関わらず、アパレル、飲食店、住居、オフイス、教育関連、ギャラリーなどあらゆる業態の空間創りに携わった。今では尾野さんが香港で手がけた店舗数は実に約400軒にも及ぶ。
現在取り組んでいる案件は新国立競技場のデザインを手がけた建築家隈研吾氏が設計監修するアートビルH-Queen’s(来春セントラルにオープン)。ここでは尾野さんは管理会社との調整、制作実施図面という施工の要めになる業務を担っている。「内装業務で一貫して心がけているのは徹底的な品質管理と納期管理、丁寧で迅速なメンテナンスです。今後も奢らずコツコツ地に足つけ更に努力したいと思います。」と尾野さんは20年を機に新たな飛躍を語った。
こんな記事もよく読まれています
最新情報をお届けします