昨年の海外移民数、2割増加
海外での教育を望む家庭も
先ごろ公表された保安局の資料によると、昨年海外へ移民した香港人の数は約7600人と、一昨年の6500人から2割近く増加していることがわかった。
香港居民は出国時、外遊の目的を政府に申請する必要はない。そのため、当局は移民に必要な「無犯罪記録証明」を警察に申請した人数をもとに、海外への移民者数を算出している。
理工大学の陳偉強講師は、これまで「中立派」だった市民も不動産価格の上昇や都市計画、治安の悪化に不安を感じ、海外移民を望むのではないかと指摘する。また、青年層は海外での就業や生活レベル上昇を願う動きもあるという。
移民コンサルタントの関景鴻氏は、「移民を選択する大きな理由のひとつは、こどもの教育。香港では良い学校に入れるとは限らないが、海外での教育はこどもたちにとって楽しく、中華圏に戻っても有利になる」と説明する。また、生活費や不動産の高騰もプレッシャーとなり、アメリカやカナダでは香港の半分の価格で邸宅を購入できるため、老後の生活を考えての海外移民も多いという。(5月30日)
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