ホコチューNo.26 「Rainbow 花文字」 店長兼オーナー Jonathan Ngさん(2017.12.18)

No.26(2017.12.18)香港の中心でアノ時を語る(ホコチュ―)


「Rainbow 花文字」 店長兼オーナー 

氏名:Jonathan Ng(ジョナサン ン)

経歴:香港生まれ。一家が続けてきた花文字の事業を19歳の時に継承。以来、情勢に左右されながらも28年間花文字を描き続けている。2011年の3.11の時は日本の青森に滞在中だった。自身の作品を保管していた倉庫が津波の被害に遭うも、日本人の再起する姿に心を打たれる。

2017年現在 花文字の心を広げていきたい

 

 

 

 

 

継承した伝統技 

花文字とは、書道、絵画に風水をミックスさせた芸術作品で、ジョナサンさんの祖父が花文字を考案した。7歳から祖父から花文字を教わり始めたが、指導は厳しく「毎日3時間文字を描く練習は正直辛かった。他の子のように遊びたかった」と振り返る。それでも、忙しく働く祖父と叔父の助けになりたいと思い、日々花文字の練習に励んだ。

花文字が人気を博すようになると、偽物が世間に出回り始める。それでも叔父は「私たちはお金儲けのために花文字を描くのではない。お客様の心を思いやり、それを花文字で表現する。大切なのは心なんだ」と花文字の本来の在り方を説き続けた。この言葉に胸を打たれ、義務感で向き合っていた花文字に心から向き会えるようになる。19歳の時に叔父が他界し、3代目として事業を引き継いだ。

1997年 沖縄旅行でのワンシーン

 

 

 

 

 

 

花文字の心を広めたい

しかし事業を続けていくと約5年ごとに苦しい時期が訪れる。98年の中国返還、03年のSARS、08年のリーマンショック、11年の東日本大震災。客数が激減する一方、高騰し続ける家賃に苦しんだ。固定客が少なく安定した収入を得ることも難しい。店を畳むことを幾度と考えたが、花文字を絶やしたくない一心で、辛苦を乗り越えてきた。

その時支えになったのが、日本人との絆だ。15年前に香港の店を訪れた客が懐かしんで再訪してくれることや、香港在住の日本人が暖かい声をかけてくれることに何度も支えられた。

今後の夢は花文字教室を開くこと。「私の一家が受け継いできた、心のアートである元来の花文字を、子ども達に教えたい。香港ではお金を稼ぐことが先行されちだが、相手を思いやる大切さを、花文字を通して伝えたい。」と語る。これからも、相手の幸せを願いジョナサンさんは花文字を描き続ける。

 

 

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