No.29(2018.1.8)香港の中心でアノ時を語る(ホコチュ―)
Aurore International Limited 代表
氏名:伊藤 聡美(イトウ サトミ)
経歴:夫と共に震災を契機に2012 年より香港在住。同年から開始したピアノ教室も続けながら、2016 年によもぎ蒸しのサロンをオープン。多くの顧客に愛され、2017年にはCWBに店舗を構えるまでに事業を拡大。人に寄り添う為に、まずは自分の欠点を受容することを大事にしている。
波乱万丈の十代
3歳からピアノを習い始めた聡美さん。師の勧めもあり、8歳より単身でフランスの音楽学校に通い始める。渡仏後は人に恵まれ、充実した生活を過ごしていた。
日本とフランスを行きしながら、ピアノに没頭する充実した日々。しかし、14歳の時に悲劇に襲われる。帰国時に散歩をしていたところ犬に指を噛まれ、人差し指の切断を余儀なくされたのだ。自分の全てだったピアノを奪われ、どん底まで落ち込んだ。それでも大好きなピアノを諦められず、10本の指で弾く曲を何とか9本で弾けるように必死に努力を重ね、見事音大に合格。音楽以外の道も視野に入れて受験した外語大にも合格し、ピアノと韓国語の二足の草鞋を履く学生生活を送る。
2012年に香港へ移住。翌年にはピアノ教室をスタートするが、軌道に乗り始めた2015年、子宮頸がんの可能性があると診断される。
苦しむ人の力になりたい
まさか自分が癌と診断されるとは露にも思っていなかっただけに、ショックは大きかった。手術は無事成功したものの、常に再発の恐怖が付き纏い、自分の体を大切にする方法を模索するようになる。その折、韓国留学時に出会ったよもぎ蒸しを思い出し、藁をもすがる思いで韓国へ。訪れたサロンで即よもぎ蒸しの機械を購入し、毎日続けていると、医師より子宮の状態を褒められ、自分でも健康に変化を感じられるようになった。
同じように悩む女性を支えたい思いから、2016年によもぎ蒸しサロンをオープン。体質改善はもちろん、女性独自の悩みを打ち明けられる場にもなっている。今後の夢を「仕事以外にも結婚や出産等、女性には転機が訪れる。そんな時に支えになりたい。」と語る。稀有な困難を幾度も乗り越えてきた聡美さん。次は彼女自身が、誰かの転機になるだろう。
こんな記事もよく読まれています
最新情報をお届けします